想起

このごろ流行りの女の子

お尻の小さな女の子

こっちを向いてよハニー

だってなんだか だって だってなんだもん

 

 

 

 

天気が良かった今日は

何処かで誰かがこの天気に感謝してる

誰かの優しさで世界のバランスは何とか保たれている

世界中幸せでいてほしい

 

 

今は京都にいるけれど、メイドイン相生には少し都会に感じる

 

都会で思い出した話があります。

 

 

 

いつぞやの東京のライブの時、時間を潰してた渋谷か何処かで信号待ちしてると、えらい速度で走り抜ける女の子が1人

その時、カバンから携帯が落ちた

僕がいたのは大きな交差点で、人も何百人といたが誰もそれを拾おうともしない

ベースを背負っていたので嫌だったけれど、私はよく物を落としたり無くしたりするので、その子が後々困ることは目に見えていたから、 ようし、いっちょやってやるか という気持ちで拾い上げ追いかけた

 

すみませーん

 

群衆の中を情けない声で呼びかけながら追いかけるが全く反応はない。もう一度、今度は大きな声で

 

すみませーん

 

あろうことかその子はイヤホンをして走っているのである。そんなんじゃ車に気付けず危ないでしょう!というか、こんなに焦って走るって何事?バイトに寝坊したのかな、とかを考えていた。

というより、その子が走るの早くて見失いそうだった。ムキになって体力テストぶりぐらいに全力で走ったらなんとか追いつけそうになった。

 

ここでひとつ問題。

1.イヤホンをしてて呼びかけには反応なし

2.信号が赤でもうまく路地とかを走り、全く止まる気配がない

3.私の体力もそんなにない

 

ええい、思い切って肩を叩いた。その時のその子の顔は、まるでこれから自分が事件に巻き込まれるんじゃないか、というような顔で、私は悲しかった。不審者に見える?怪訝そうにイヤホンを外したので、

 

携帯落としてましたよ。

 

肩で息をしながら、口の中ネバネバになりながら私は言った。

 

 

 

 

 

 

 

その子は、

 

「(ッ)ス」

 

とだけ言い、携帯を握りしめて去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日もこの世界のどこかで、見返りを求めない善意が誰かを救っているのかもしれない。飲食店の店員さん、駐車場の警備員さん、新薬の研究員さん、名前も知らない人からの幸せをもらい、僕達は笑顔で生きてる。

 

We are the world.

We are the children.

We are the ones who make a brighter day, so let's start giving.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう落し物しちゃダメだよ〜

 

のんでした。